「woman's」My Hair is Bad
ライブハウスに立ち込める熱気の中に、
ネガティヴこそが最高のポジティブだという筋の通った矛盾を溶かす椎木が織りなす13曲。
彼は赤い首輪がついたまま、自らと君とのことを他人事のように、客観的に歌う。
彼は恋人ができても、そのことを常にあの日の君に歌う。
彼の口から放たれる音や言葉は、
彼の頭の中から逃げ出してきた感情のあれこれは、
その矛先は、常にあの日の君に向けられている。
ここまでして彼に歌を歌わせるその存在は一体なんなのか、一体誰なのか
そんなことを考えていると急に抜け出してきて、
若者について、息をつく暇もない言葉を重ねて訴えてくる。強く。
最後の曲を聴き終える頃には、
駆け抜けるように去っていく13曲を見送ることしか出来ず、そんな女々しい自分をアルバムのせいにしたくなった。