RADWIMPS自身も予想外の2016

 

2016年大ヒットを記録した映画

君の名は。

 

主題歌の「前前前世」を歌うRADWIMPSが一躍話題となった。恥ずかしさがなにかもわかっていないまま、何かと恥ずかしがっていた中学生の頃から聴き続けていたRADWIMPSは、あの当時、メディアに出ないまま同世代の中で瞬く間に拡がり、切なさがなにかもわかっていないまま黄昏るフリをしていた高校生になった頃には、いわゆる超人気バンドの地位だった。

 

と、思っていたにも関わらず、テレビで見ていると、まるで2016年にリリースした1曲が、映画主題歌に抜擢され、いきなり有名になってしまいましたと言わんばかりの顔をされているような気持ちになる。いままでメディアにそれほど出ていなかった彼らなのだから、それはそれで当たり前のことなのかもしれないが、不自然さを感じずにはいられなかった。

 

君の名は。」の中では、「前前前世」どころか、「君の名は。」劇中曲の多くがRADWIMPSによって手がけられ、

RADWIMPSのサウンドトラックとして、アルバムがリリースされた。そこにはまるで、RADWIMPSのニューアルバムリリースのような香ばしさがあった。

 

さらに、当たり前のようにミュージックステーションで曲を披露した。なんでもないやと言わんばかりの柔らかな表情で、野田はタモリと言葉を交わしていた。

録画したHDDから吐き出される有り得ない現実に、僕は有り得ないくらい口を開きながら、何度も見返した。ラッドがMステ出たんだぜ!

なんて、高校生の僕に言っても絶対に信じてもらえないまま馬鹿にされ続けて殺されると思う。

 

ここまであたかも彼らの熱狂的信者のような口ぶりで書き進めてしまったが、実はアルバム「絶対絶命」以降、彼らの音楽から離れていた僕が、ここであえてRADWIMPSの魅力に加え、前前前世はあまり良くないと思うというところまで綴りたくなったのでお付き合い頂きたいと思う。

 

 

《大袈裟》

 

 

RADWIMPSの魅力を端的に言うとこうだ。

 

誰もはしっこで泣かないようにと君は地球を丸く云々、

お前がオカズなら俺はドンブリで50杯は軽くご飯を云々、

俺が木星人で君が火星人でも一生で一度のワープが云々、、、、

 

とにかく面倒くさいほど話のスケールが大きいのだけれど、

me me she」という曲では、

《約束したよね「100歳までよろしくね」
101年目がこんなに早くくるとは思わなかったよ》

と大袈裟な事を言いながらもそれをすぐに現実に写すシーンが描かれていて、

それを受け取った若者達は目の前の恋愛にそのスケールを重ね合わせるのだと感じていた。

また、ここまで大袈裟になる前までに、非常に青臭いような、泥臭いような青春ソングを歌ってみたかと思えば、しっかりとした英語詞を真っ直ぐに突き刺されたりするその武器の広さ、シンプルさが土台にあってこその大袈裟なのだというところに、彼らの魅力が詰まっている。

 

今年大躍進のきっかけとなった映画のストーリーそのものも、「んなばかなぁ〜」と肩の力を抜きながら観ることの出来るような良いものだったため、本来の彼らが持つ世界を存分に広がることができたのだと思う。

 

 

と、数ヶ月前にここまで書いて下書きに保存していたまま、入荷日に入手したRADWIMPSの新譜「人間開花」が、個人的には「ん〜〜?」といったまた変な違和感を生み出したため、続きはこの違和感の正体がわかった時にしようと思う、